社会心理学会@北海道大学

 
 

 

社会心理学会に参加・発表してきました。

◆発表について

内容は,リスク状況におけるマックスミン原理の選好と,報酬分配状況における格差原理の選好に相同性がある,という亀田先生らの研究の追試を行った,というものです。

マックスミン原理の選好:一番悪い状況が一番良くなるような選択を好む
格差原理の選好:一番不遇な人の配分が一番良くなるような選択を好む

「口頭セッションで追試研究を発表する」,というのもあえてのことで,せっかく社会心理学会で方法論セミナーをやったのだから,それをちょっとでも思いだしてもらえればな,という気持ちもありました。

まぁやってみました研究ではあるけど,きれいに追試が成功すると,「おお」と思うし,方法論的な改善を試みたことも自分的には面白かったので,これはこれでよかったなと。

もちろん,変数をいくつか追加していて,上記の相同性が認知的共感性によって部分的に説明できることもわかりました。

反応もそこそこありました。興味深いのは,質問くれたのは霊長類を研究している人と,哲学を研究している人でした。亀田先生にも質問もらって(当然ではあるかもだが),今回の結果は神経科学的データとも整合的,とのことだったので,それはそれで興味深い。

あと,インフォーマルポスターでも発表しました。間接的要求が人間関係の自由度の低い地域でよく用いられること,またそれは悪評回避的な文化的信念を共有していることで媒介されることが明らかになりました。これはグループ・ダイナミックス学会でも発表予定です。

◆学会について

なぜかここから常態。

学会自体は,いろいろこれまでと違う趣向が凝らしてあって,僕は結構楽しめた。疲れたけど。

個人的に良かったなと思うのは,ポスターセッションが独立したこと,昼間のシンポジウムがなくなったこと,二日目のお昼休みとポスターセッションが同時に行われたこと,並行セッションがすくなくなったこと,かな。

学会中にどっかわざわざ外に行くのはあまり好きではないので,昼食が提供されたのはうれしかった。あと,並行セッションが少ないと,オーディエンスも増えるし,見逃す発表も減るので,とてもいい。

ポスター発表が外ではなく,屋内になってしまったのは残念。でもこれは天候の問題なのでどうしようもないね。

来年の社会心理学会も,ぜひ今年のいいところを引き継いでもらいたいなーと思った。

 

 
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