最適化問題

統計学でも数理モデルでも、大抵の場合特定の目的関数を最適化することで解が得られます。
最小二乗法は誤差を最小に、最尤法は尤度を最大に、という具合に。
そしてそれは、社会心理学でも大抵そうです。
あるときは自尊心を最大化するように行動している、と説明し、
あるときは社会関係資本を最大化するように行動している、と説明し、
あるときは文化的価値を最大化するように行動している、と説明しています。
他にも、存在脅威を最小化するようにとか、意味の崩壊を最小化するようにとか、
進化心理学では、最終的に子孫の数を最大化するような行動をとるだろう、と説明します。
そんなふうに考えてみると、大抵の理論は目的関数を探すためのものなんだな、という気がしてきます。
しかし、これらの理論は真値を仮定した(つまり決定論的な)話です。
ある状況なら、人はこういう行動をとるだろう、と。
では、ベイズ的に考えるとどうなんでしょう。目的関数というのは考えません。
最適化問題ではなくて、単純に確率論で話が進むからです。真値を仮定しない。
つまり、こういう状況だったら、こういう行動をする確率がこれぐらい、という話になります。
なんかアバウトですね。そして、非決定論的な理論になるのかもしれません。
事前分布ってのも面白いですね。行動前にこういう風に考えていたら~という仮定を追加できるわけですかね。あるいは行動傾向とか、癖とかですかね。で、こういう情報(あるいは状況、利得行列でもいいかもしれない)を与えたら、その後の行動は特定の分布に従う、っと。何をするかはわからんけど、確からしさだけはわかる、という。
意思決定理論ではベイズも導入されているみたいなので、社会心理学の理論だって使えるかもしれませんね。
そんな理論って、具体的にどうなるのかな~と妄想してみる梅雨の日の夜でした。

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