清水ゼミ

 

関西学院大学社会学部 社会心理学研究室 清水ゼミ(学部)についての記事です。

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清水ゼミの特徴

 ゼミでは「社会心理学」という観点から対人関係や社会について研究を行っています。社会心理学は,その名の通り「心理学」の分野に属する学問ですが,心について明らかにすることだけが目的ではありません。人々の心がいかに社会的な産物であるかを示すことや,そのような社会的な心をもった人々がいかに対人関係や社会を作り上げていくのかについても研究の対象になります。

 私は,社会心理学の中でも親密な対人関係(恋愛や友人関係,家族関係)がどのように形成されるのか,あるいは,我々が「親密さ」や「仲が良い」とよんでいる関係性とは,どのようなものなのかについて研究しています。よって,心理学的な研究ではありますが,研究関心はどちらかといえば関係や規範などの「社会的な現象の形成プロセス」にあります。

 本ゼミでも,最初はそういった社会心理学の中でも対人関係や対人コミュニケーションのようなミクロな現象についての文献を扱う予定です。とはいえ,卒業論文に取り組むテーマはもう少しゆるい範囲で関心を持ってもらっても大丈夫です。社会心理学的な研究ができるものであれば,大抵は指導できると思います。日常生活の些細な疑問やこれまで気になってきたことなど,素朴なテーマであったとしても,熱意と根気があれば,研究テーマとして昇華させることができるでしょう。

 

清水ゼミの運営

 清水ゼミでは,みなさんが社会心理学の研究を自分で計画し,データを収集し,1つの研究報告として卒業論文を書き上げることを目標とします。みなさんが社会心理学の観点で卒論を書けるようになるために,獲得しなければならないスキルがいろいろあります。それらを踏まえて,積み上げ式でゼミを進めていこうと思います。

 ゼミでは,文献講読やグループディスカッション,プレゼンテーションを通して,社会心理学についての知識を得るだけでなく,社会心理学の論文を読みこむ力,プレゼンをする力,議論する力,そして研究するための基礎的な力を身につけることを目的とします。これらの力を身に着けたのち,自分達で社会心理学的な研究を実行していきます。

 社会心理学のゼミは,心理統計学や心理学実験法の勉強も行います。それは,心理学が実証的な研究を重視しているからです。よって,ゼミ以外にも,「基礎心理学実験」「基礎心理統計」などの授業を履修して,心理学の方法論を学びます。ただ,2年生現在,数学や統計の能力が必要となるわけではありません。これらが苦手でも,ゼミに入ってからゼミの課題やその他の授業にきっちり取り組めば,十分習得可能です。ですので,今勉強ができることよりも,やる気や心理学的な研究に対する関心の高さなどがゼミで求められます。

 自分達が知りたいと思ったことを主体的に勉強して,研究して結論にたどり着くという活動を行うには,おそらく大学が最も恵まれた環境だと思います。心理学の勉強を通して主体的に何かを成し遂げる,そういう充実した学生生活をぜひ一緒に過ごしましょう。

 

年間スケジュール

研究演習Ⅰ(2年生)

 1年目では,前半は社会心理学についての基礎的な知識や,社会心理学的な考え方を身につけるために,比較的簡単な文献を読んで,ラフにディスカッションができるようなゼミにしようと思っています。社会心理学を勉強することの楽しさなどを感じてもらえればと思います。後半には,社会心理学で扱う概念などを扱うトレーニングをしようと思います。このことを通して,物事を抽象的に捉える思考力,一般的な法則を見出すセンスなどを磨いていきます。

研究演習Ⅱ(3年生)

 2年目は,研究演習ではグループで社会心理学の論文を読んでその内容についてプレゼンをしてもらおうと思います。そして,他の人が発表内容について議論する力を身に付けることを目指します。また,合宿プランもグループごとに分かれて考えてもらい,プレゼンをして決めるということをしています。夏休みには,心理学の英語論文を読んで合宿で発表してもらっています。

 実験実習は,グループに分かれて実際に社会心理学的な研究を行います。ここで,自分達で仮説を立て,データを取り,分析し,レポートを書くまでの手順について一通り学習することになります。この1年間で,心理学の研究のための基本的なスキルと同時に,プレゼンや議論する力,批判的に考える力が身につくと思います。

研究演習Ⅲ(4年生)

 3年目の春学期では,卒論のテーマを決めるために各自で問題意識を持って文献を読み,ゼミで発表してもらいます。そこでゼミ生同士で議論しながら,卒論で何をどこまで明らかにするのかを具体的に計画を立ててもらいます。計画が早めに立てられた人は,予備的なデータを収集してもらってもいいと思いますし,就活などの個々人のペースに合わせて研究を進めていきましょう。

 秋学期は,卒業論文の完成を目指します。春学期に立てた計画に基づいて実際にデータを収集して,一人で研究を進めていきます。できれば春学期中や秋学期前半にデータをとり終えて,余裕を持ってデータの分析と論文執筆に集中できるように指導していく予定です。

 

授業の履修について

清水ゼミを希望する人は,以下の授業の履修が望まれます。ゼミに入るまでにすべて履修しておく必要はありません。入ってからでも十分に間に合います。

ただし,心理調査法,そして社会心理学A・Bのどちらかはゼミに入る前に履修しておくことを強く勧めておきます。

◯2年生終了までに履修しておいて欲しい科目

 ゼミ配属前: 社会心理学A・B(推奨),その他社会心理学系の講義科目 データ分析(入門),データ分析(基礎)

 ゼミ配属後: 心理調査法 基礎心理統計学、基礎心理学実験、社会心理系講義科目

◯3年生前期終了までに履修しておいて欲しい科目

 データ分析(応用),応用心理統計学、社会心理学実験、社会心理系講義科目

 

 

院生・ポスドク募集中

清水ゼミでは,大学院生や学振PDの受け入れを募集中です。

清水ゼミの院生・ポスドクになりたい方は,必ず事前にメールなどで連絡をください。一度直接,あるいはスカイプなどで面接をしたいと思います。

連絡先はsimizu706(あっと)norimune.netです。まずは気軽にメールいただければと思います。

清水の研究テーマについてはこちらをご覧ください。ただ,現状やっていない研究テーマでも僕が面白いと思えば,そのテーマで研究してもらっても構いません。