意味とシステム

さてはて。ノートパソコンが壊れてしまい、一気に生産性が低下してしまいました。
そのかわり、消費だけはしていこうと、本を一生懸命に読んでいます。

意味とシステム―ルーマンをめぐる理論社会学的探究 意味とシステム―ルーマンをめぐる理論社会学的探究
(2008/10/22)
佐藤 俊樹

商品詳細を見る

これはいい本だ。ルーマンの社会システム論に対して批判的に、そして発展可能性について論じている。非常に論理的で、かつ生産的な議論が展開されていて、頭は使うけど、とても刺激的でした。
この本ではルーマンのコミュニケーション論の定義を厳密に読み解いて、定義間の矛盾や飛躍を指摘しつつ、より厳密になるためにはどのように論じるべきかを丁寧に解説しています。そして、コミュニケーションの自己産出系(つまりオートポイエーシスシステム)の公理論を提案します。先日書いた、「公理論的現象学」は、この本を読んでいるときに「こういうのもありなのか?」と思っていたのでした。
また、著者の科学者としてのあり方にも共感・尊敬できます。こういう論者がもっと学会に多ければ、社会科学もより豊かなものになるんでしょうね。
ルーマン社会学を読んだことある人には、かなりオススメできますが、そうでない人にはちょっと最初はしんどいかもしれません。


余談だけど、阪大では科研費で本を買うためには生協経由でなければなりません。なので、
本屋さんで気軽に買えなくて、「今読みたい!」というときに読めないのでした。
でも今はどうせ科研費も使えないので、ポケットマネーで買っているわけです。
財布は痛いけど、いいペースで本が読めますね。

This entry was posted in 本の紹介. Bookmark the permalink.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Note: 他の人のコメントに返信したい場合は,[Reply to 名前] のボタンを押してください