国家の品格

今日大学行きしなに買って、家に帰ってきたら読み終わっていた本です。
なにやら売れているらしいので読んでみましたよ。
藤原正彦 2005
国家の品格 新潮新書
2005年11月にでて、2006年5月で28版は多すぎだろ。バカの壁とかもっといってるのかな。いや~新書って売れるね。


さて、読んだ感想として、それなりに面白く読めましたよ。いろんな意味で。
要は、人にとって大事なのは論理じゃなくて、倫理だよ、という話です。2年ほど前から「論理力」が盛んに必要だといわれているなか、その反動なのか、こういう本が売れてるのかもしれません。
というわけで、内容が薄いです。本も薄いですけど。
でも売れる本って、論点が少ないほうがいいんでしょうな。わかりやすい点は評価できます。
論理展開はまぁこの手の新書にありがちでぐちゃぐちゃ。欧米人を冒頭でバカにしているわりに、欧米人がみんな認めてるからスゴイ、という論理を持ち出してみたり。論理だけじゃダメ!っていってるわりに数学と物理学は国家の基本といってみたり。でも、素人さんを説得する技術はたくさん使われているように思います。勢いだけで説得されそうです。
主張のほうは、僕的には好きです。僕は日本大好きっ子ですから。全体的には賛成ですけど、ツッコミどころは満載という感じ。
あと、前半で展開している「論理」の弱点の話は、わかりやすく書かれていて、良いと思います。論理空間の中に倫理や神秘は含まれないといったヴィトゲンシュタインは、どっかで倫理や神秘の必要性を訴えていたのかなと思い起こしましたね。
「できること」と「していいこと」の違いは科学者だけでなく、すべての人が考えないとダメですな。そこから「すべきこと」が見えてくるように思います。

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