SASでHLM

またもや清水です。

さて、次はSASでHLMをする方法です。これについては、対社心研にも書いたのですが、簡単に。
プログラムはずばり!

PROC MIXED covtest;
CLASS グループ識別;
MODEL 従属変数 = LEVEL1独立変数 LEVEL2独立変数 / solution ddfm = kenwardroger;
RANDOM INTERCEPT LEVEL1独立変数 / SUBJECT =グループ識別 TYPE = UN GCORR;
RUN;

こんな感じ。

COVTESTオプションは共分散パラメータを検定結果を出力するもの。
CLASSステートメントにはカテゴリー変数を指定。
MODELステートメントには従属変数と独立変数を指定。レベル1もレベル2も全部書く。
SOLUTIONオプションは固定効果の推定値を算出・有意性検定するもの。
DDFMオプションは自由度近似算出法の選択。ここではkenwardrogerを指定。他に、satterthwaiteやbwがある。satterthwaiteかkenwardrogerが妥当(らしい)。
RANDOMステートメントには切片とレベル1の変数を指定。レベル1の変数は傾きの分散も推定するからだ。
SUBJECTオプションはグループを識別する変数を投入。
TYPEオプションは変量効果の共分散構造を指定するところ。ここでは無構造(SPSSでいう非構成)を指定している。

他に、VC(分散成分だけ推定して共分散=0とする)AR(一次自己回帰的構造)、CS(共分散はすべて同じとする)などがある。UNだとハズレはないが、検出力が低い。
GCORRオプションは変量効果の相関行列を出力するもの。Gだけなら共分散行列を出力する。

ポイントは変量効果の共分散構造を何で指定するか、だろう。でもHLMのときはUNが妥当かなという僕の意見。だって、変数によるもの。最初UNにして、共分散が有意でないならVCに変える、といった使い方がいいかも。
ついでに、TYPEオプションを書かないときはデフォルトでVCになるので注意。

僕がいまやSAS使いだからというのもあるが、SPSSよりSASのほうが使いやすい。そして自由度近似の方法も選べるし、何より実行までが速い(SPSSは実行するまでにボタンをたくさん押さないとダメ)。
SASがオススメです。

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