ひさびさのHADの記事ですが、HAD17.00をアップしました。
今回は久しぶりのメジャーバージョンアップということで、いくつか機能が追加されています。一応、まだβ版という形でアップしています。ソルバーオンだけにあります。
1.GLMMができるようになった
2.マルチレベル分析でグループID変数がソートされていなくても実行できるようになった
3.SEMのアルゴリズムが改良され、これまで解けなかったモデルが解けるようになった。
4.HLMのアルゴリズムが改良され、5倍ぐらい早くなった(ただしソルバーオン)。ソルバーオフは今までと同じアルゴリズムなので遅い。
5.HAD全体のアルゴリズムが改良され、大規模データで分析が遅くなる部分がある程度解消された
6.フォントが変わった
7.その他、細かいバグフィックス
◆GLMMができるようになった
お待ちかねなのかどうかわかりませんが、HADでできなかった、GLMMができるようになりました。
選択できる確率分布は、ベルヌーイ(ロジットリンク)、二項分布(ロジットリンク)、ポアソン分布(対数リンク)だけです。
なお、GLMMはめちゃくちゃ遅いので、分析ボタン押してメールを一回ぐらい確認できる程度に時間がかかります。変量係数をいれると更に遅くなるので、場合によってはコーヒーを入れに行くぐらいはできます。
詳しい使い方はまた別の記事で書きます。
◆グループID変数がソートしてなくてもよくなった
これまでは、連続してないとダメだったんですが、連続してなくても実行できます。
また、HLMやGLMMのときは、モデリングシートでグループ変数を指定できるようになったので、データシートをいじらなくてもよくなりました(指定しないことも可能。その場合はこれまで通り。)。マルチレベルSEMと級内相関などはこれまで通りグループID変数(データシートのB列)が使われます。
◆SEMのアルゴリズムが改良された
これまで解けなかったモデルが解けるようになりました。モデルの共分散行列が非正定値行列にならないよう工夫しています。
◆HLMのアリゴリズムが改良された
HLMはこれまでソルバーオフで解いてましたが、ソルバーでも解けるようにしました。劇的にスピードが上がり、これまで解けなかったモデルも解けるようになりました。
ソルバーオフでは今まで通りです。
◆HAD全体のアルゴリズム
これまで大規模データは読み込みが時間がかかってましたが、ボトルネックを解消して早くなりました。
◆フォントがかわった
これまで、MSゴシックでしたが、Yu Gothic UIに変えました。ちょっと見やすいかなと思います。
◆その他バグフィックス
なんかいろいろ修正しました。特に、グラフの縦軸のラベルが変になってたのを直しました。