行動計量学会で発表

今週の水曜日から、大分大学で行動計量学会です。
家族関係の階層的非対称データの分析というタイトルで発表します。
人間関係は相手のことを好きでも、相手は自分を好きでない可能性があり、非対称になりえます。
また、みんなが共有している人間関係の情報もあれば、自分だけが持っている情報もあります。
このように、人間関係は二人の間の関係だけでなく、社会と認知も非対称になりえるのです。
上記のような階層性や非対称性を同時に扱う方法論は限られてきます。そこで、本研究では階層性を扱うためにマルチレベルSEMを、非対称の関係を扱うためにソーシャルリレーションズモデルを用いました。
分析方法の詳細は省きますが、分析の結果、みんなが共有している家族関係では父親が一貫した行動をとっている一方、それ以外の母親や子どもは相手との関係性によって行動が変化することがわかりました。また、親同士、子供同士では関係が比較的対称的であるのに対し、それ以外の関係では対称性があまり成り立っているとは限りませんでした。
個人の認知レベルでは、行動は集団単位でかなり説明されていることがわかりました。つまり、個人は個々人をあまり弁別せず、家族集団全体で行動を判断しているということです。対称性については家族レベルと同様の結果でした。
学会自体は水曜日からですが、前日のチュートリアルセミナーにも参加してこようと思います。学会は久しぶりだから楽しみです。

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