HAD14.60をアップしました。HADについてはこちらの記事をご覧ください。
今回のバージョンアップは主に作図機能の強化です。グラフ作成がパワーアップしています。
1.変数のカテゴリごとの統計量の出力と,カテゴリごとにグラフを作成できるようになった
2.カーネル密度推定が出力できるようになった
3.箱ひげ図が大幅にパワーアップした。具体的には,負数が含まれていても表示できるようになったこと,バイオリンプロットが表示できるようになったなどがあります
4.グラフの設定を「分析」ボタンを押したあとでも変更できるようになった
などがあります。
また,いくつか重要な不具合の修正があります。
5.参加者内要因の編η2乗の信頼区間が正しくないことがわかりました。参加者内要因では上手く推定できないので,表示しないようにしました
6.調整媒介分析で,実際に有意ではないのにパス図ではアスタリスクがついてしまう不具合を修正
7.その他細かなバグを修正
箱ひげ図の強化
データを可視化するのにはグラフを表示するのが一番ですが,HADではグラフ機能が不十分だったのでそこを強化しました。
一番のポイントは箱ひげ図で,さまざまなオプションをつけらるようになりました。
これまで,グラフ設定は「HADの設定」から変更できましたが,14.60からは「分析」ボタンからも変更が可能になりました。これによって,分析する直前に設定を変えられるようになりました。
また,これまで負数がデータに含まれていると表示できませんでしたが,それも表示できるようにしました。
箱ひげ図では,今流行り(?)のバイオリンプロットを表示できるようにしました。バイオリンプロットとは,箱ひげ図にヒストグラム(実際はカーネル密度)を同時に表示するものです。
膨らんでいるところが度数が多いところです。
あと,平均値に印をつけられるようになりました。
群ごとのグラフ
今回新たに追加された機能で,変数で群にわけて,それぞれについて統計量を計算する機能がつきました。これまでもグループ分け機能を使えば可能でしたが,グラフを比較したいときは不便でした。
この機能を使えば一発です。
カーネル密度推定
ヒストグラムは階級数の設定によって形がかわります。そこで,階級数に依存しないようになめらかなヒストグラムを書きたい,と思った場合に使えるのがカーネル密度です。これは,ヒストグラムをわざとぼやかして,滑らかにする方法です。
こんな感じ
ついでにヒストグラムはこんな感じ
他にもマイナーチェンジしているところもあります。いろいろ試してみてください。